Tristeza
Salvador Trio
1966年作。シャツはズボンに入れるだろうがぁあ!!
この「Tristeza」、誰でもそのフレーズは一度は聴いたことがあるくらい有名なブラジル大スタンダード曲。Salvador Trioの#1 Trisetezaのアレンジは哀しくも前を向いて歩いていこうよ、というブラジル音楽の深みとブラジル音楽特有のリズムが堪能できる1粒2度おいしい系のナイス・テイクであります。
O Trio 3D Convida
Trio 3D
1965年作。曲の意外な展開、大胆なテンポの変更。これもジャズサンバの魅力です。「O Trio 3D Convida」はその魅力を存分に味あわせてくれます。かなりクセのある演奏が多く、そのクセがだんだん病みつきになる、という不思議な輝きを放つアルバムであります。#1,#4,#12なんかたまりませんなぁ。
Som/3
Som/3
1966年作。なんだろう、とにかくカッコいい。いや、渋い。渋すぎる。演奏の完成度、曲展開のギミック、どれもこれも超絶的な高品質さを維持しておりまする。#8 Tema 3を後生だから聴いてくれ!
Gemini v
Pery Ribeiro, Leny Andrade & Bossa Tres
1965年作。「Gemini v(ジェミニ・シンコ)」っていうね、ブラジルのTV番組の公開ライブショーがあったそうです。これはその録音盤で、ライブ収録となります。ライブ盤というのはノッてる演奏だととてつもない威力を放ちますよね。このアルバム、ペリー・ヒベイロ、レニー・アンドラーヂという男女2人の激渋ボーカルとバックをボッサ・トレスが〆る、強烈なジャズサンバ・ライブです。
正直、これほどのグルーヴが聴けるライブ盤っていうのはジャンルを問わずそうそうないと思います。初聴時、あまりにかっこよすぎて衝撃的でした。。うなだれました。俺はまだ音楽のこれっぽちも知らなかったんだと。
No "Flag"
Luiz Carlos Vinhas
1970年作。ライブ盤を続けてご紹介。さきほどのアルバムでも紹介したBossa Tresというグループのピアニスト、Luiz Carlos Vinhas(ルイス・カルロス・ヴィーニャス)。彼はね、とにかく伊達男プレイなんです。お洒落なんです。ブラジルネイティブのリズム感がなせる「間」と類稀なるメロディセンス。紡ぎだされる彼の即興プレイは、聴けば「この道しかない」という音符の足跡を刻んでいく…。ちょっぴり茶目っ気のある崩したそのプレイはたまんなく洒脱。わっちが女なら抱かれてもいいレベル。
それともうひとつこのアルバムで言及すべきは「臨場感」。バーでの演奏の雰囲気がそのまま真空パックであなたのお茶の間に!というレベルでなんかもうお酒飲みたくなっちゃうくらいなんです。食器のカチャカチャ音、拍手、口笛…。そのどれもがライブの雰囲気を伝える楽器になっているとでも言いましょうか。大傑作盤であります。
Encontro
Pery Ribeiro + Bossa Tres
これもライブ盤でボーカルもの。バックは安心のボッサ・トレス。1966年作。このPery Riveiro(ペリー・ヒベイロ)、その歌唱スタイルはまさに溢れ出る男気。ポルトガル語がわかんなくてもいい。だがおまえの心情はわかる。演奏もボーカルもとびっきりのジャズサンバライブです。おしゃれボッサ女子には拳をにぎりしめてこのアルバムを渡してください。いや、知らんけど。ヴィーニャスたんのところどころくるピアノ即興プレイも失禁もので、かっこよすぎて漏らします。
The Swinger From Rio
Sergio Mendes
1965年作。ブラジルが生んだ音楽の至宝、セルジオ・メンデス。彼のキャリア初期、ジャズサンバ時代の作品。ブラジルの土着性を出しすぎず、ただ美しく、美麗にまとめるその手腕は素晴らしいです。まあお洒落ってこういうことなんだろうな。ほんとに。ジャケットがかっこいいのもイイね!
The Beat Of Brazil
Sergio Mendes
1967年作。同じくセルジオ・メンデスのジャズサンバ作品。アレンジの完成度・品質はもはや他の追随を許さぬ孤高の域ではないか。こりゃ世界中で売れるわー。先ほどのアルバムよりもカッコよさ増量です。#1 Nanaの出だしなんてもう・・・たまらんですなあ。
Novas Estruturas
Luiz Carlos Vinhas
1964年作。筆者が愛してやまないLuiz Carlos Vinhas単体クレジット作。ジャケットのレトロ・フューチャー感に違わぬジャズサンバの未来を志向した作品(いや、知りませんが)。#6 Nem O Mar Sabiaはこのアルバム最大の問題作。斬新な曲展開、ヴィーニャスのピアノソロはもはや誰にも真似できない世界を創生している。すごすぎて泣く。ヴォーカル無しで泣けるんだぜ?
Em Forma!
Bossa Tres
1965年作。さて、ボッサトレス単体の作品もご紹介。このアルバムは全体的にスリル感溢れる演奏であります。Bossa Tresの真髄を味わうならこのアルバムかなあ。ヴィーニャスのピアノはジャケの表情のごとくどこか不安感を誘う鬼気迫るもの。また強烈な曲展開も今作の魅力。#1 Bottlesは最後の展開が最高にやばいよ。#5 O Morro Nao Tem Vezもね、ほとんどプログレですよ。この展開。2:54からです。刮目せよ!
Balancando
Milton Banana Trio
1966年作。ジャズサンバのドラム奏法を発明したといわれる男~Milton Banana(ミルトン・バナナ)。彼のドラムプレイは「正確無比なるジャズサンバドラム・スタンダード」。彼が叩いたやり方がすなわちジャズサンバドラムなのである。ほんとにおかずの入れ方、クローズド・リムショット(リムを叩くカッカッっていうやつ)の入れ方、どれをとっても「ここしかない」というタイミングで入れてきます。彼のドラムプレイを是非堪能して、ボッサ・ドラムの奥深さを発見してください。よろしくお願いします。白眉曲は#11 Ora Bolas。中盤0:55からの展開がやっべ。
Milton Banana Trio
Milton Banana Trio
1965年作。引き続いてMilton Bananaリーダー作品の紹介。ジャズ・サンバの教科書ですから。ジャズ・サンバの何たるかはこのアルバムにつまってるのではないか。有名曲が多いです。さてこのアルバムの白眉曲は…#10 Noa... Noaを推したい。高速ドラムと不思議なメロディラインが絶妙に絡み合った絶品チューンですよ。ごはん三杯はいけますよ。
Improviso Negro
Sambalanco Trio
1965年作。セカンドアルバム。この紹介ページで冒頭に紹介したSambalanco Trio。今作も相変わらずのカッコよさ。くー。高速のジャズサンバドラムもいいけど、スロウなやつもカッコいいんですよ?#2 Rezaなんかたまらんね。タメが。この遅めのジャズサンバのよさがわかってくるともうあなたは完全にジャズサンバ地獄の住人と言えましょう。認定!
Reencontro Com Sambalanco Trio
Sambalanco Trio
1965年作。同じくSambalanco Trioのリリース3作目。#4 Tensaoなんかがとってもカッコいいと思います。しかしなんでこんなクールなかっこよさなんでしょうね。サンバランソ・トリオって。そう、クールかっこいいなんです。
Em Som Maior
Sambrasa Trio
1965年作。サンブラーサ・トリオ。サンバランソと似たひびきですが、ピアノだけエルメート・パスコアルに代わっただけらしいです^^。これはね、いいものですよ。このアルバム。初っ端#1 Sambrasaからやばいです。#3 Samba Novoなんかの出だしもかっこつけすぎ。でも好き。#8 Coalhadaとかリズム難しすぎ。これは俺に対する挑戦だ。「俺らのリズムについてこれるか?ああ?」と言われてるとしか考えられない。
Sansa Trio
Sansa Trio
1964年作。#1 Samba Em Blue出だしからブラスが高らかに鳴り響く入り方で否が応にもこのアルバムへの期待感を抱かせますね。いいですよ。このアルバムはいいところはなんといってもアレンジセンスが独創的なところ。
#3 Primaveraなんかも入り方がやばすぎる。マイナー調が好きな心優しい苦悩せる青年なんかにぴったりです。圧巻は#11 Vivo Sonhando。この曲はね、すごいですよ。この黄昏感。この虚無感。この徒労感。しかし秩序はあるのだ。そして希望もあるのだ。絶品曲である。
Alma Brasileira
Manfredo Fest Trio
1966年作。演奏技術、各パートのパワーバランス、曲展開のアレンジ、完成度、どれをとっても非の打ち所がない完璧超人みたいな傑作アルバム。1曲を聴くことが1本の映画を観るが如し。
#1 Pot-Pourri De Mariaには喜怒哀楽のすべてが詰まってますなぁ。#2 Contracantoなんかもう…涙なしでは聴けない。ふつくしい…。美しいジャズサンバが聴きたければこのアルバムを買うべし!捨て曲なし!!
O LP
Os Cobras
1964年作。管楽器も入ってビッグバンド的な音が楽しい圧巻の重厚長大型ジャズサンバアルバム。しかして各ソロは音の厚みとは裏腹に繊細かつ苦悩的なメロディを叩き出しています。
#1 Quintessenciaからしてとんでもない。途方もない。ジャズサンバ特有の2連バスドラムをバックに管楽器がソロ回しをするところは聴いたこともない悶絶グルーヴである。